「本日の結論」
練習試合は「公式戦」より重要
その理由、7選をお届けします
なぜ公式戦より練習試合が重要なのか
- 公式戦のための「準備」
- 「勝ち方」を学ぶ=「勝ち癖」をつける
- 個人・チーム練習の成果を試す
- 選手の「可能性」を試せる
- スタッフと選手のコミュニケーションの機会
- ケーススタディー
- 他チームからの学び
一つずつ詳しく解説します
公式戦のための「準備」
チームには目的(とことん楽しむ・とことん勝ちにこだわる)と達成したい「目標」があります
その目標を達成するための必要な能力・要素は数え切れません
その数え切れない要素を鍛えるには「練習試合」は不可欠です。
練習試合を組むのは、「明確な目的・意図」があります
なんとなく実施する練習試合ほど無意味なものはありません
目標を達成するために、「色々な労力をかけてまで実施する重要な機会」を再認識してください
「勝ち方」を学ぶ=「勝ち癖」をつける
たまに、「練習試合は勝敗にこだわらなくてもいい」という言葉を耳にすることがあります
これから出てくる「選手の可能性」や「学びを重視する」指導者の発言かもしれません
私はそんなことは1ミリも思っていません
そもそも「スポーツは全力で勝ちにこだわること」=「楽しさ」のはずです
「負けてもいい」とは「スポーツを楽しむこと」を放棄していることと同じです
自分のベストを尽くしてこそ、楽しさや得るものがあると思いませんか?
そして、公式戦に「勝ちたい」と思うのであれば、
「勝ち方」を学ぶことと「勝ち癖」を身につけることが最も重要です
偶然うまくいった、たまたま勝ったでは、目標までたどり着くことはできません
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
名将野村克也監督(元南海,ヤクルト,阪神,楽天)の名言です
「勝って反省する」ことが理想
負けて反省は当たり前、即行動
ちなみに、私は県大会で勝利した後は、必ずその日のうちに自チームの試合をビデオで確認します
次の相手チームの分析に意識がいきがちですが、まずは「自チームの反省・改善」です
その上で、相手の戦力分析となります
この手順を踏むと、相手チームが考える「自チームに対する戦略・戦術」が見えてきます
個人・チーム練習の成果を試す
平日に取り組んでいる個人の課題やチームとして取り組んでいる戦術など
紅白戦や自チームだけの練習では分からない部分を確認することができます
ただ実戦形式の練習がしたいだけなら、起用できる選手の多い紅白戦で十分です
練習試合は「未知の相手がいる」貴重な機会です
初めて対戦する投手への対応や打者との対戦は場数が必要です
自分がどんなタイプを得意にしているのか、苦手にしているか把握できてますか?
私は、相手チームの監督に対戦してみての感想や
作戦の意図などを確認する機会として活用しています
選手の「可能性」を試せる
チームとしての成熟度を高めるためには、
誰が出場しても「同じチームパフォーマンスを保つ」ことが必要です
体調不良や私用などで来れない選手がいたときに「・・・がいないから負けた」なんてチームは
危機管理不足としか言いようがありません
私が監督として、死んでも口に出さない言葉の一つです
個人的には、スタメンで常時出場する選手が1,2人いなくても「同じチームパフォーマンス」を発揮できるチームが「勝ち残るチーム」だと思います
そのためには、多くのバリエーションが必要です
公式戦前の練習試合は「危機管理」のために実施するといっても過言ではありません
「選手の可能性」という言葉はキレイに聞こえますが、練習でできないことをいきなり練習試合で求めることはありません
指導者は普段の練習で選手の能力・可能性は確認し「この子を起用してみたい」と考えます
「チーム練習は常に発表・アピールの場」と考える方が出場機会も増えるはずです
スタッフは固定観念や先入観は除き「公平に観る」という視点だけは必ず守ってください
スタッフ・選手の考えを知る機会
強いチームは高いレベルで「相互理解」ができます
選手-選手でも当然ですが、指導者-選手の間でも目標達成のためには必須要件です
選手の皆さんはスタッフ・指導者の考えをどこまで理解していますか?
チームメイトのことをどれだけ理解していますか?
スタッフはどこまで選手一人一人を理解していますか?
自分の考えをはっきりかつ論理的に伝えていますか?
私は公式戦の際に起用する選手は「この子で負けたらしょうがない」と思う選手です
そのためには、選手の能力以上に、人間としての部分も把握は必須です
判断材料の一つとして、よく活用するのは「野球ノート」です
野球ノートを見れば、その子がどれだけ野球と真剣に向き合っているか分かります
この数年間見てきて、野球ノートが雑な選手で予想以上に伸びてきた選手はいません
細やかな情報収集が「適材適所の人選」になるはずだと考えています
練習試合は選手-選手・指導者-選手の「考えのズレ」を修正するチャンスです
そこで大切になるのは「問い・質問」になります
「なぜあのボールを打ったのか」「なぜあの指示をしたのか」
「なんでだろう」と疑問に思うこと、相手のことを「知ろう」と思うことが
「質問する」という行動への第一歩ですね
私に聞いたら「なんでだと思う?」と質問返しされると思いますが、負けずに回答してください
ケーススタディー
野球のケースは全部で何パターンですか?即答できない選手はピンチです
BSOカウント36パターン(3×3×4)
ランナー(場面)8パターン
合計 288パターン
※イニングを入れると、2,016パターン(288×7)があります
288パターンを全て練習することは非常に効率が悪いです
トップチームでは、ケース打撃や場面を設定したゲーム(タスクゲーム)などをよく行います
それは「勝敗を分ける重要な局面」は数が限定されるからです
その局面を一つ一つ制するチームが最終的に得点が多く、勝利という結果になります
重要なケース・場面をチーム練習で学習し、ランダムで場面が訪れる練習試合を活用して
ケーススタディーを行う手順が重要です
もちろん同じケース・場面でも相手によって、異なる戦術を選択してきますので、その対応も非常に重要です
おそらく練習ではカバーできてない場面やミスが起こるでしょう
指導者に「ここをまだ教えてないよ」と指摘してくれるのが練習試合ですね
他チームからの学び
私は予定表に「練習試合」と記載したことはありません
いつも「交流戦」と記載してあると思います
「なぜ練習試合ではなく、交流戦」にしていると思いますか?
それは「相手あっての貴重な機会」であることを自分への戒めとして書いています
練習試合というと、「自分本位」でしか考えられなくなく指導者もいます
自チームの「課題を解決したい」と考えるマジメな指導者に多いパターンです
結果的に、「自分たちのことしか考えていない」というチームになってしまいます
そんなチームと交流を続けたいと思いますか?
練習試合を実施するということは「何かしらの縁」が存在します
活動場所に困り、私から直接依頼することもあれば、
「ぜひ対戦したい」と先方から連絡を頂くこともあります
時には、紹介者を通じて、承諾を頂く場合もあります
そんな「縁あるチーム」とお互い気持ちよく交流することが練習試合の目的の大きな一つです。
そういった意味では「勝敗」以上の「価値」があります
我々の練習試合には地域の審判団が会場まで足を運んで頂くことも多いかと思います。
相手チーム、審判さんに感謝の気持ちを持って、
「全力で勝ちを目指すこと」が選手の皆さんができる最大の恩返しです
そこに少し、相手チームへの配慮があると最高ですね
例えば、捕手マスクやバットを拾うなどは試合のスピード化にも繋がり、お互いの練習機会が増える行動です
点差が離れた際の盗塁や相手が不快に感じるヤジなどはもってのほかです
私は自チーム選手に指摘するように見せて、相手の選手に改善点を伝えることもあります
それは、私がそうやって他チームの監督さんから教えてもらった経験があるからです
そして、対戦して頂くチームから常に学びましょう
特に、何度も交流戦を実施するチームには、その理由があります
野球の技術はもちろん、ゲーム外の部分で学びになることがあるはずです
「これはマネしたらダメだな」という反面教師の時もあるでしょう
そして、「また交流戦をお願いしたい」「このチームの試合に審判に来たい」と思ってもらえるチームになってください
自分、仲間、相手、審判のことまで考えられる「器の大きなチーム」になりましょう
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