第14回全日本少年春季大会【観戦記】注目チームまとめ

大会・試合
  1. 今回、3試合(6チーム)を観戦してきました
    1. 鹿児島育英館中学校
    2. JBOY’s(滋賀県)
    3. 江戸川区立上一色中
  2. 上一色中に関する記事【まとめ】
    1. 徹底した「見逃し練習」で全国V 143キロ右腕”苦にしなかったワケ”
      1. 普段は山なりの緩い球を打つ練習に重点を置く
      2. 140キロ越え右腕の対策「目と体を慣れさせる」
      3. 対戦が決まった直後ではなく、対戦の2週間前から始めた意図
    2. 【上一色中学】部活動だから、軟球野球だからこそのメリット
      1. キャッチボールがうまくなれば、打てるようになる
      2. 打撃指導で重視しているのは「振る力」と「ミート力」をつけること
    3. 強打の秘訣はどこにある?バッティング練習に迫る
      1. 7ヵ所でのフリーバッティングで打撃強化「打ったら絶叫」
      2. 平日はボールを打つだけで300球、土日は600球
      3. ファーストストライクスイング率7割7分
      4. 竹バットで「バットの芯でボールを捉える」技術を身につける
    4. 【江戸川区立上一色中】西尾弘幸先生|中学野球は土台作り「もっと野球をやりたい」と思える選手を育てる
      1. もっとも大事にする教えは「しっかり振って、強い打球を飛ばすこと」
      2. チームで徹底しているのは「空振りOK!」の姿勢
      3. 『変化球の空振りはヒットにつながる」という考え方を持たせる
    5. 全国制覇の中学野球部で大きな効果 “横の動き”に違いが生まれる「みぞおちトレ」
      1. 塩多雅矢氏による「体の部位を自由に動かせるようにするトレーニング」

今回、3試合(6チーム)を観戦してきました

昨年に続き、静岡県で行われている「中学軟式のセンバツ甲子園」である全日本少年春季大会を観戦してきました

注目した3チームの簡単なレポートと、最も目を引いたチームについて調査した内容を記載します

鹿児島育英館中学校

前年度優勝チームが今年も鹿児島県代表として出場していました

なんといってもこのゴツさ(笑)個人用にプロテインを調合してもらっているそうです

昨年は圧倒的な打力で覇者となり、本大会直前にも東海大翔洋中を2試合打ち砕いたという情報を聞いていました

【観戦した印象】思っていたような「マン振りチーム」ではなかったです

1,2番は足を使えそうな選手が並び、各打者に「低く・強く」を意識付けさせている姿が印象的でした

対戦相手にも大きな選手もいたせいか、身体も思ったより大きく見えなかったです

対戦相手の3球種(ストレート常時115程度、スライダー110弱、カーブ100弱)を絞りきれず、うまくかわされていました

後半に出てきた速球派(MAX130)には強そうな印象でした

「打つだけで、ベンチは何もしないチーム」と聞いていましたが、ランナー・守備陣への声かけや打者へのアドバイスなど、監督・コーチも一体となっており、事前情報とは異なるチームでした

勝ち上がって、色んな投手と対戦する様子を見てみたいチームでした

JBOY’s(滋賀県)

友好チームでもあるJboy’sさんの試合も観戦しました

新3年生が4名しかしないこともあり、池田監督は「間違っても勝とうと思うな」と選手に話したとのことでした(笑)

【観戦した印象】チームのまとまり、選手の機敏さ、シートノックの上手さは流石の一言。

弱点を見せない戦い方はお手本のようでした

バッティングは「面が合っている選手が多い」印象でした

新チームになってからは、「キャッチボールとトス(ハーフ)で基本動作を徹底的に身につける」と話をしていたことを思い出しました

ハーフバッティングでは「羽子板バット」でセンター方向にハーフライナーを打つ練習を繰り返し行うと教えて頂きました

この試合でも、低めの変化球を拾い、センター前へヒットにする場面や、1・3塁で三遊間を狙って打ち抜いていく(右打者)など、日頃の取り組みが見える試合内容でした

観戦していた前半は全くの互角でしたが、後半に突き放されて敗戦となったようです

4月の交流戦がさらに楽しみになりました

江戸川区立上一色中

今回のメインは東京都第一代表である上一色中学校の予定でした

2022年夏(全日本少年)のチャンピオンですね

とある他県の強豪中学校の監督さんからオススメされ、楽しみにしていました

【観戦した印象】前評判では「バッティングがすごい」と聞いていましたが、予想以上でした

明らかに他のチームと比較した時に、「打球の高さ」と「音」が違います

イメージとしては、社会人チームの選手がミスショットをしたときに「スピン量の多いフライ」が上がると思いますが、あのような打球が何度も出現していました

もちろん大きい選手もいますが、特別大きい印象はありませんでした

毎年、強打のチームを作り上げるとのことなので、「ヒントを見つければ、来た意味がない」と思い、ネットの情報を徹底的に検索しました(笑)

いくつかの記事を読むだけでも、大きな方向性は掴めると思いますので、以下にURLと概要を掲載しておきます

トップチームは「普段の取り組み」と「好投手を攻略するための考え方」、新1・2年生は「圧倒的に打ち勝つチームになるための土台作り」として、参考になると思います

トップチーム監督としては「積極的にファーストストライクを振る」

「狙っていない変化球でも、打ちに行く」

「空振り・ミスショットを恐れない」「どんな1打席でも大切にする」

こういったマインドを持ったチームにしたいと思っています

育成年代(1・2年生)での取り組みが非常に大切になると思います

まずは、上一色中を参考に「良き習慣を身に付けためのチーム指針」を作りましょう!

お時間ある時に、ぜひ熟読お願いします ※気になった文章は添付しておきます

上一色中に関する記事【まとめ】

徹底した「見逃し練習」で全国V 143キロ右腕”苦にしなかったワケ”

 https://first-pitch.jp/article/coach/coach-junior-highschool/20221004/3261/

普段は山なりの緩い球を打つ練習に重点を置く

 上一色中では普段、山なりの緩い球を打つ練習に重点を置いている。しっかりと軸足に体重を乗せ、ためをつくったスイングを身に付ける目的がある。西尾監督は「遅い球を強く打てる動作が身に付けば、速球にも対応できる」と考えている。ただ、中学の軟式で140キロを超える球速はレベルが違う。

140キロ越え右腕の対策「目と体を慣れさせる」

 西尾監督は初戦の2週間前から、2台の打撃マシンをどちらも最も球速が出るように設定した。さらに、打者の体感速度が140キロくらいになるよう、実際のマウンドよりもホームベース寄りにマシンを置いた。最初の1週間、選手には一切バットを振らせず、タイミングを取って見逃すように指示を出した。

対戦が決まった直後ではなく、対戦の2週間前から始めた意図

 森の対策を対戦が決まった直後ではなく、対戦の2週間前から始めたことにも意図があった。指揮官は「早くからやり過ぎると、投球を呼び込む“間”を作れなかったり、変化球に対応できなくなったりします。2週間と期間を決めて、それ以外の時は緩い球を打つ練習を普段通りに続けていました」と説明した。

【上一色中学】部活動だから、軟球野球だからこそのメリット

 https://baseballking.jp/ns/181900

キャッチボールがうまくなれば、打てるようになる

 上一色中はバッティングのチームと言われますが、大事にしているのはキャッチボール。体重移動や割れ、トップなど、バッティングにつながることが多く、『キャッチボールがうまくなれば、打てるようになるよ』と。練習時間が短かったとしても、ボールを投げることは毎日やっていて、それぐらい投げるというのは繊細な感覚。テスト休みがちょっと入っただけでも投げ方が変わることがあります」

打撃指導で重視しているのは「振る力」と「ミート力」をつけること

 「振る力とミート力をつけることです。3年ほど前から取り組んでいるのが、竹バット(84センチ900グラム)でのバッティング練習で、これを始めてから高校で活躍する野手が増えました。一番重いバットで84センチ900グラムですが、力のない1年生は800グラムを振っています。軟式のバッティングで一番よくないのは、『詰まっても飛ぶ』ということです。ボールの芯さえ打てば、どこでとらえても飛んでしまう。いまは芯の素材が違う複合バットが人気ですが、複合バットにしても芯のエリアが広いですよね。その広さに慣れてしまうと、高校ではなかなか打てないと思います。だから、芯のエリアが狭い竹バットで練習をするようにしています」

強打の秘訣はどこにある?バッティング練習に迫る

 https://baseballking.jp/ns/181891

7ヵ所でのフリーバッティングで打撃強化「打ったら絶叫」

 7箇所で行うフリーバッティングの最中、投手と打者の間で気合いを入れあう声が飛びかっていた。スイングのあとには、「よっしゃ!」と大きな声で叫ぶ打者。「打ったら絶叫」がチームの約束事になっている。 
「ようやく、自分たちから声が出るようになってきました。いつも言っているのは、『明るい雰囲気を作らないと勝てない』。前向きに取り組むようになっています」

平日はボールを打つだけで300球、土日は600球

西尾監督の信念は「高校野球で通じる選手を育てる」「打ち勝つチームを作る」だ。平日はおよそ2時間半の練習があるが、はじめの30分をアップとキャッチボール、残り2時間をバッティングにあてる。
「平日はボールを打つだけで300球、土日は600球打っています。やっぱり、バットを振って、数多くのボールを打たなければ、打てるようにはなりません」

取材当日は7カ所のフリーバッティングと、2か所のロングティーが行われていた。フリーバッティングは体育館(ネットで囲まれていて、防球対策はばっちり)に向かって打つ独特のスタイルだ。グラウンドは練習試合ができない狭さのため、このやり方でしかフリーバッティングができないのだ。

バッティング練習中、打席を待つ選手はバットでタイヤを叩いたり、2メートルの長い棒でスイングしたりと、ボーッと待っている選手が誰もいない。

ファーストストライクスイング率7割7分

練習で意識するのは、「ストライクを強く振る」ということ。以前、江戸川区大会でのファーストストライクスイング率を調べてみたところ、驚異の7割7分。とにかく積極的に振る。この試合はスタンドインが2本飛び出した。「待ち」の野球では、高校に行ったときに通用しない。

竹バットで「バットの芯でボールを捉える」技術を身につける

「3年前に竹バットを取り入れてから、振る力もミート力もついてきました。それによって、高校で活躍する卒業生が増えています」

竹バットは900グラム、800グラム、の2種類があり、体の力に応じて使い分けている。12月から2月はティーバッティングでもフリーバッティングでも、竹バットだけを使い、パワーと技術を養っていく。
「軟式の選手を見ていると、『バットの芯でボールをとらえる』という技術がなかなか身に付かないように思います。そのまま高校に行くと、バッティングで苦労してしまう。芯のエリアが狭い竹バットで練習することで、芯でとらえる感覚を養っています」

【江戸川区立上一色中】西尾弘幸先生|中学野球は土台作り「もっと野球をやりたい」と思える選手を育てる

 https://news.mynavi.jp/article/20220420-2326226/

もっとも大事にする教えは「しっかり振って、強い打球を飛ばすこと」

 「バットをしっかりと振って、強い打球を飛ばすことです。細かい技術的なポイントもありますが、打ち方を気にするあまり、バットを振れなくなる選手もいます。ファーストストライクの甘いストレートを、思い切り振り抜く。若いカウントから積極的に打つ。高校でも必ず求められることです。年齢を重ねるほど、考え方がシンプルになってきました」

チームで徹底しているのは「空振りOK!」の姿勢

チームで徹底しているのが「空振りOK!」の姿勢だ。フルスイングの空振りをすると、「ナイススイング!」とベンチが湧く。ベンチが「あぁ……」とため息を吐くと、その空気はバッターにも伝播してしまうものだろう。空振りをポジティブに捉える。

『変化球の空振りはヒットにつながる」という考え方を持たせる

「思い込ませているのもありますが、空振りのあとは打てる。特に、『変化球の空振りはヒットにつながる!』という考えを持たせています。空振りをすることで、変化球の軌道に合ってくる。バットを振らないと、ボールとの間合いがわからないですよね」

「なかなか勝てなかった頃は1球の空振りやファウルに対して、『何やってんだよ……』と思っていたんですけど、バッティングはそう簡単なものではないですよね。いつも打てるわけではありません。だから、難しく考えずに、自分のスイングをする。そう思うようになってから、全中に出場できるようになりました」

 日々のバッティング練習は、7カ所のバッティング(ピッチングマシン「ストレート」×2、ピッチングマシン「スライダーor カーブ」×1、手投げの緩い球×1、ピッチャーとの対決×1、ロングティー×2)、タイヤ叩き、スタンドティーをローテーションで回る。

全国制覇の中学野球部で大きな効果 “横の動き”に違いが生まれる「みぞおちトレ」

 https://first-pitch.jp/article/well/training/20221204/3675/

塩多雅矢氏による「体の部位を自由に動かせるようにするトレーニング」

 塩多さんが重視するのは、体の部位を自由に動かせるようにするトレーニング。野球で高いパフォーマンスを発揮するには、体の連動性が求められる。ただ、複数の部位を連動させるには、それぞれの部位を思い通りに動かす必要がある。塩多さんは「連動と誘導は似ているようで全く違います」と指摘する。

「誘導は動かしたくないのに動いてしまう状態です。体のパーツごとに自分の意思で動かせるようになることが大切です」

 塩多さんは投球フォームを例に挙げて、連動と誘導の違いを説明する。速い球、強い球を投げるには、下半身で溜めた力を上半身に伝える必要がある。この時、先に骨盤や股関節を動かし、その後に胸や肩をひねると、上半身と下半身が連動して力をロスしない。一方、下半身を動かすと同時に、自分の意思と反して上半身や肩が誘導されると力が逃げてしまう。

 

投球や打撃でも、軸足から踏み出す足へ体重移動する際、みぞおちを横に移動させる動きが入る。塩多さんは「みぞおち、肋骨の部分を自由に動かせるとパフォーマンスが格段に上がる選手もいます。難しい動きだからこそ、野球が上手くなる鍵があります」と力を込める。

 体の1つの部分を思い通りに動かせない選手が、複数の部位を連動させるのはハードルが高い。1つ1つを操作できるようになれば、誘導ではなく体の連動につながる。

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