野球は「感覚」のスポーツ

雑談

「他人の感覚」で練習しないと、うまくならない

こう言っているのは、10代の頃から、プロ野球で活躍し、2000本安打を達成している

読売ジャイアンツ坂本勇人選手です。

あれほどの選手なら「自分の感覚」だけで勝負できると思いがちですが、そうではないようです

坂本選手だけでなく、一流の選手達は、年下だろうが優れた選手を見つけたら質問攻めにする傾向があるとのことです

さて、皆さんはどれだけ他人の感覚を「聞いて」、「試す」ことをしていますか?

誰の感覚を取り入れるか〜すごい人なら誰でもいいのか〜

ここで問題になるのは「誰の感覚を取り入れるのか」という点です

例えば、中学1年生がメジャーリーガー大谷翔平の打撃の感覚をインタビューなどで知り、試すとしましょう。

大前提として、彼(大谷選手)が戦っているのは、世界一レベルの高い硬式リーグです

大谷選手は、海外特有の「150〜160キロで手元で若干変化するボール」に対応するための技術を渡米後、日々鍛錬しているはずです

大谷翔平選手が日本人でいかに優れた選手だとしても、君たちのような中学生(軟式野球プレーヤー)の段階で取り入れる感覚でしょうか?

この機会に、1度ゆっくり自分の頭で、考えてみましょう

料理素人が三つ星レストランシェフの感覚が分かる?

話は逸れますが、私は、料理ができません ※簡単な調理はできます

その私がシェフとして、来年「フランス料理店をオープンさせたい」と考え、修行するとしましょう

そんな私が、三つ星レストランのシェフに料理のコツや感覚などを聞いて「理解できる」と思いますか?

多分、分からないですね。いや、分からない自信があります。

でも、その情報を「聞いておくことは今後の役に立つかもしれません」

だから本気で目指すなら、直接話を聞いたり、書籍で学んだりすることは必要なことです。

地道な情報収集に無駄はありません。

でも、そのシェフの料理の感覚を目指すのは明らかに時期早尚ですよね。

基本的な知識や技能が身に付いていかないと、どんなに素晴らしいアドバイスも「活かす」ことができません

つまり、得た情報を活用させる際に、「今の自分に合った段階の話・情報」なのかを考える必要があります

それが『憧れだけで取り組む「子ども」』と『自己分析をした上で情報を取捨選択する「大人」』の違いではないしょうか

軟式熟練者の感覚

話は野球に戻ります。先ほどの料理の話を「中学軟式野球」に置き換えた時に、今のケースが当てはまる選手がいませんか?

プロ野球選手が使用しているのは「硬式球」❌「木製バット」です

今、皆さんが使っているのは「軟式球」「ウレタンバット」です

使用する道具が違えば、「感覚」は間違いなく異なります。

ちなみに、硬式野球を終えて、軟式野球を始めた選手がよく陥るのは「ポップ(内野)フライ/打撃」と「叩きつけ/送球」です。

ボールを捉える際の感覚やボールをリリースする感覚は間違いなく異なります。

よって、プロ野球界で活躍する選手の「感覚」を信じすぎることはオススメできません

試してみるのは無駄ではありませんが、「違って当然」です。

※身体の使い方や動作は見習うべき点も多々ありますので、基本に忠実な選手の形をマネすることは良いと思います

だからこそ、うちのチームでは「軟式野球界」で高いレベルを経験してきたスタッフやゲストを招いて一緒に練習をしたり、話を聞く機会を作っています

※うちはスタッフのほとんどが学生の時に、軟式野球を経験しています

その人達の感覚を聞き、「試してみること」は決してマイナスにはなりません

ここで皆さんに問いたいのは、チーム内にいる貴重な経験者(スタッフ)から「自ら情報」を得ようとしていますか?

何も要求せず、「ただ与えてもらうこと」ばかり考えていませんか?

それでは「他人」や「他チーム」と差はついていきません

ちなみに、うちのチームでの取り組み(練習法や戦術)は、オリジナルなんかほぼないです。

99%パクリ(笑)だから愛知県のチームと微妙な差がついていきます

自分を向上させてくれるのは「自分だけ」

今週土曜日、トップチームには社会人軟式クラブチームで活躍する2名(天皇杯や軟式日本代表経験もある)に参加して頂きますが、そのチャンスをどう活かすかは「自分次第」です

冷たい言い方ですが、監督やコーチ(ゲストも含め)は「君たちをうまくすることはできません」

そのきっかけや知識の提供が、我々の「できること」の限界です

『自分を向上させてくれるのは「自分だけ」であること』を強く意識してください

スタッフは、もがき苦しんでいる選手に寄り添い、悩みを共有する存在でいてください

「どんな感覚で打ってるの?」「どんな感覚で投げてるの?」

そう聞かれた時に言語化できる選手が多く存在し、チーム内でレベルの高い会話ができることを願います

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